
交換が早すぎても遅すぎても損失が出る抄紙機フェルト。稼働データから劣化を予測し、停止リスクと交換コストを同時に抑えました。
抄紙機のフェルトは、紙から水分を取り除きながらシートを搬送する重要部品です。摩耗や目詰まりが進むと、脱水性能の低下、紙厚や水分率のばらつき、紙切れなどにつながります。 一方で、フェルトの寿命は紙種、坪量、抄速、薬品条件、洗浄状態によって変動します。そのため、単純な使用日数だけでは交換時期を決めにくく、保全担当者が運転音や脱水状態、過去の経験をもとに判断していました。 安全側に倒して早めに交換すると、まだ使えるフェルトを廃棄することになります。逆に使い続けすぎると、品質不良や突発停止の損失が発生します。この『ちょうどよい交換時期』をデータから見極めることが課題でした。
抄紙機の圧力、振動、駆動負荷、含水率、抄速、洗浄履歴、紙切れ履歴、品質検査値をフェルト単位で紐づけました。交換日だけでなく、交換直前に現れていた変化を時系列で追える状態に整えています。
同じ30日間でも、製造した紙種や運転速度によってフェルトへの負荷は異なります。AIが各条件の影響を学習し、現在の劣化度と残存使用期間を算出します。
推奨交換日だけでなく、脱水性能の低下傾向、駆動負荷の上昇、類似フェルトとの比較を表示。保全担当者がAIの結果を確認しながら最終判断できる仕組みにしました。
単に寿命の限界日を出すのではなく、予定されている停止日や生産品種を踏まえ、現場で実行しやすい交換候補日を提示します。
一律の使用日数ではなく、実際の劣化状態をもとに判断できるため、使用可能なフェルトを早めに交換するケースを減らしました。
駆動負荷や脱水性能の変化を継続監視し、従来は見逃しやすかった劣化傾向を事前に把握。計画停止に合わせた交換判断がしやすくなりました。
担当者ごとに異なっていた交換基準をデータで共有できるようになり、若手担当者でも根拠を持って保全計画を立てられるようになりました。
フェルト単位で時系列データを統合し、正常時からの変化量と過去の交換直前データを比較。紙種や運転条件による負荷差を補正しながら、劣化度と残存使用期間を予測します。
4カ月
550万円